ビオ・荒川さいたま

自然豊かな荒川河川敷へ

子どもの頃の田島ヶ原

さいたま市の荒川河川敷(荒川左岸堤防外)とその周辺の自然環境保全に取り組むビオ・荒川さいたま。代表を務める福島一之さんは、子どもの頃、田島ヶ原で野球をしたり遊んだりした思い出の持ち主。定年後、高度経済成長によって失われた河川敷を、子どもの頃のような自然豊かな荒川河川敷に戻したいと、活動を始めたそうです。

節気ごとに観測・公開

ビオ・荒川さいたまでは、「二十四節気」に合わせて月2回、サクラソウ自生地の定時観測を行っています。二十四節気とは、1年を24等分して約15日ごとの節気に分けたもので、季節の移り変わりを的確に示しています。

毎月27日にも、桜区から西区にかけての荒川左岸河川敷を定時観察しています。その日は福島さんのお母様の月命日。お墓参りも兼ねた観察時、あの頃の荒川に思いを馳せています。これら定時観測と観察の結果をまとめたレポートは、ホームページやブログ、メルマガで発信しています。

今、さいたま市の荒川河川敷は大変身中

荒川第一調節池の中にある国指定特別天然記念物田島ヶ原サクラソウ自生地は、治水が進んだことで上流から流れてくる肥沃な土と湿地環境を失い、ピーク時235万株のサクラソウが2024年調査では55万株まで減っています。

現在、荒川河川敷では第二・三調節池の工事が進行中です。この工事では第一調節池にある彩湖のような貯水池は造りません。囲繞堤(いぎょうてい)という大きな堤防を造り、洪水の危険がある時にだけ上流で降った雨を一時的に留め、下流の東京都を洪水から守る調節池です。率直に言うと地元には何のメリットもありません。工事のミッションは堅牢な囲繞堤を造ることで、さいたま市の自然に対する配慮は含まれません。だからこそ、我々市民が声を上げなければならないと思います。工事が済んだら立入禁止区域が増えただけにならないよう、しっかり声を上げていきましょう。

さらなる100年への一歩を踏み出して

特別天然記念物田島ヶ原サクラソウ自生地が天然記念物に指定され、2020年で100周年を迎えました。これを記念して、福島さんを中心に小冊子『天然記念物指定100周年記念 さらなる100年に向かって』を制作。市内図書館や小学校などに直接届けました。 サクラソウが100年後もさいたま市のシンボルであるためには、子どもたちが小さい時から日常的にサクラソウに触れる機会が必要です。そのためには、小学校で栽培するのが一番です。

現在、サクラソウを栽培している小学校は、さいたま市内には3校しかありません。寒さに強く暑さと乾燥に弱いサクラソウの栽培には夏休みがネックで、水不足で枯れることが多いようでした。

このような経験からPTAの協力を得て「サクラソウ活動サポーター」を立ち上げ、自動給水装置やSNSを使って栽培に成功している学校があります。

地元の応援があってこそ、田島ケ原サクラソウ自生地はさらなる100年に向かって歩み続けることができます。この活動を紹介して、より多くの小学校で栽培するようになれば、サクラソウは市の花、県の花としてもより親しまれていくと思います。 鉢植え方式はある程度できていますが、花壇方式はサクラソウの花が咲き終わった後も水やりを忘れないために(?)、ウマノスズクサを植栽するなど試行錯誤中です。

ビオ・荒川さいたま

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