ビオ・荒川さいたま

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自然豊かな荒川河川敷へ

子どもの頃の田島ヶ原

さいたま市の荒川河川敷(荒川左岸堤防外)とその周辺の自然環境保全に取り組むビオ・荒川さいたま。代表を務める福島一之さんは、子どもの頃、田島ヶ原で野球をしたり遊んだりした思い出の持ち主。定年後、高度経済成長によって失われた河川敷を、子どもの頃のような自然豊かな荒川河川敷に戻したいと、活動を始めたそうです。

節気ごとに観測・公開

ビオ・荒川さいたまでは、「二十四節気」に合わせて月2回、サクラソウ自生地の定時観測を行っています。二十四節気とは、1年を24等分して約15日ごとの節気に分けたもので、季節の移り変わりを的確に示しています。

毎月27日にも、桜区から西区にかけての荒川左岸河川敷を定時観察しています。その日は福島さんのお母様の月命日。お墓参りも兼ねた観察時、あの頃の荒川に思いを馳せています。これら定時観測と観察の結果をまとめたレポートは、ホームページやブログ、メルマガで発信しています。

元々の在来植物を大切に守りたい

荒川第一調節池の敷地内にあるサクラソウ自生地。治水が進んだことで上流から流れてくる肥沃な土と湿地環境を失い、ピーク時235万株ほどのサクラソウが60万株ほどに減っています。

河川敷の抱えるもう一つの問題が、耕作放棄地の存在です。繁殖力の強い外来植物が伸び放題になると、この地に元々生えていた在来植物を窮地に追い込みます。福島さんたちは数年かけて外来植物を除去してきましたが、メンバーの高齢化もあり、周囲の理解を得るのも難しく、なかなか続かないのが現状です。

さらなる100年への一歩を踏み出して

特別天然記念物田島ヶ原サクラソウ自生地は1920年に天然記念物に指定され、2020年で100周年を迎えました。これを記念して、福島さんを中心に『天然記念物指定100周年記念 さらなる100年に向かって』を制作。市内図書館や小学校などに直接届けました。

2022年5月、近隣の小学校から、「さいたま市の人権の花運動」として、地元のサクラソウを育てたいので協力してほしいとのお話がありました。福島さんたちにとっては願ってもない話ですが、特別天然記念物の田島ケ原のサクラソウを移植することはできません。

いろいろ調べてみたところ、昭和50年代に秋ヶ瀬橋の架け替え工事を行った際、工事箇所のサクラソウの採取が許されたことがあり、その時の苗を親子二代にわたり大切に育て増やしてきた方が東久留米市に住んでいることが分かりました。今、その方のサクラソウが数十年の時を経て地元に里帰りし、地元の小学生に育てられています。

これまで、小学校でサクラソウを育てる試みは何度か行われましたが、先生の移動などで立ち消えになることが多くありました。今回、小学校ではPTAの協力を得て続けていくために、「サクラソウ活動サポーター」を立ち上げました。SNSを使った情報交換も順調に動いている様子です。

地元の人たちの応援を受けて、田島ケ原サクラソウ自生地は更なる100年に向かって歩み続けることができます。今回の活動を近隣の小学校にも紹介して、より多くの人がサクラソウに親しみ応援してくれれば、心強い限りです。

ビオ・荒川さいたま

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