桜・一閑張りを広める会

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渋味のある籠に彩を添えて

多彩な趣味を持ち寄って

一閑張りは、竹製品などに和紙を貼り、防水効果のある柿渋を塗り重ねて作る伝統工芸です。柿渋は強度を増すほか、湿気に強く、虫よけにもなります。桜・一閑張りを広める会では、この伝統的な作り方に加えて、会員のアイデアで個性的な作品も制作しています。

着物のリフォームを趣味にしている人はその生地を貼り合わせたり、染め物、デコパージュ、ビーズ細工、紋切りを施してみたりと、それぞれが趣味にしていることを作品に盛り込んでいます。各人が持っているものを出し合って新しい一閑張りを作る――指導者の中川節子さんは、そんなアイデアにいつも驚き、学ぶことが多いといいます。

絵手紙から始まった

江戸初期、明国から来日した飛来一閑(ひきいっかん)が広めたとされる「一閑張り」。茶道具にも重用されてきた伝統工芸です。また、庶民のざるや柳ごおりの補修等、リサイクルにも使われてきました。

18年ほど前、中川さんが習っていた絵手紙の先生に一閑張りを教えていただいたのが最初の出会い。その後、16代目飛来一閑さんを訪ねたり、酒田の出羽庄内の一閑張りの工芸家の元を訪ねたりして見聞を広めたそうです。

そして、絵手紙展に作品を置いたことから、大きな輪が広がりました。作品を見た人から一閑張りを習いたいと問合せがあり、翌年、展覧会に合わせて体験講座が開かれました。

1回限りの講座では分からないこともあり、参加者に背中を押してもらって教室をスタート。3回ほどで一つの作品が完成するので、メンバーの入れ替わりもありながら、現在では市内4か所で一月に20人前後の人が学んでいます。

エコの学びを盛り込んで

桜環境センターでの活動は2015年から。ほかの会場の生徒も行き来できる通常講座のほかに、「壊れたものを直して再び使う」というエコの観点から、子どもや親子向け講座を開くなど、少し違った内容でも行っています。

昔ながらの柿渋は臭いが強く、空気に触れると固くなる性質がありました。最近では、臭いが少なく、真空にして固まりにくくした製品などが出回るようになり、扱いが楽になったそうです。見沼には、子どものころ柿渋を作っていたという方もあり、江戸時代からこの土地で長く培われていたものだと感じるそうです。

不器用な人はぜひ

元々不器用で、最初は和紙を貼るのにもシワが寄って困ったという中川さん。それでも続けてこられたことを振り返り、手先の器用さだけではない奥深さを感じてほしいといいます。生徒の中には、故人の帯地や書を一閑張りの素材にして、愛用品に仕立てる方もいるそうで、身の周りの大切なものを活かす手段としても活用の幅を広げてほしい、と提案します。

  桜・一閑張りを広める会

HP : https://sakura-kc.saitama.jp/kankyo/group/ikkanbari
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