特定非営利活動法人ゆうの樹

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コーヒーが結ぶ幸せ

コスタリカ発の事業を

「フェアトレード」という言葉を知っていますか。直訳すると「公平・公正な貿易」。特定非営利活動法人ゆうの樹では、コスタリカ共和国で農薬を一切使わず栽培されたコーヒー生豆をフェアトレードで輸入し、コーヒー製品の製造・販売や喫茶店を運営。精神障害を抱える人たちの就労支援に活かしています。

活動を始めたのは2013年から。かつて市内の精神科クリニックでソーシャルワーカーをしていた代表の細谷浩司さんは、青年海外協力隊に応募し、2004年から2年間コスタリカの特別支援学校にソーシャルワーカーとして赴任。帰国後、不登校やひきこもりの若者を支援するボランティア仲間と共に、コスタリカのつながりを精神保健の活動に活かしたいとコーヒー事業を発案。

コスタリカ赴任中に交流のあった隊員仲間のつてをたどって、自然環境に配慮したコーヒー農園を営むヘラルドさん一家と知り合い、双方の事業活動への理解の元、適正価格でコーヒー豆を直接取引するフェアトレードの活動がスタートしました。

多様な活動に参加できる

ゆうの樹では、10代後半から60代後半まで約80人の利用者の方が、コーヒー製品の製造・販売、喫茶店「カフェ・ティコ」の店内業務、古本と中古トレーディングカードのインターネット販売、ハーブの水耕栽培などの活動に参加。その売上は工賃として利用者の方の収入になります。

現在職員は、福祉職員18人と事務員1人で、その中にはゆうの樹の元利用者で精神障害者手帳を持つ職員も2人います。コーヒー生豆の輸入からスタートして、利用者の方に合わせていくうちに活動の選択肢が増え、それに伴い利用者の人数も職員の人数も増えていきました。

面白いことに挑戦してみる

菜園では「アクアポニックス」という栽培をしています。水槽と水耕栽培が一緒になった設備で魚を飼育し、その排泄物をバクテリアが分解し植物の栄養にして野菜が育つ仕組みです。細谷さんが面白そうだなと思って始め、県内で実践している農園を訪問し、参考にしたそうです。

「コスタリカでは、なんでも気軽に自分たちで作り販売します。その感覚が新鮮で、帰国後、自分で作って売っちゃおうという発想に変わったんです」と細谷さん。

変化を楽しむ

ゆうの樹の事業所に通う利用者の方々は、統合失調症、発達障害、高次脳機能障害、うつ病など、精神の病気や障害を抱え精神科に通院されています。活動への参加を通じて病状が安定したり、昼夜逆転が改善したり、チャレンジして自信を持ったり、コミュニケーションが取れるようになったりと、日々の成長や変化が細谷さんたち職員にとっての楽しみ。一般企業に就職して新しいスタートを切られる方もいます。

コロナ禍でも利用希望の方は増え続けていますが、密を避けたり、一部の活動内容に制限を設けたりと、感染対策の苦労は絶えません。また、イベントが激減して、地域の方に活動を知ってもらう機会が減りました。エコ・フェスタを通じて多くの人に知ってもらい、横のつながりを作っていきたいという細谷さん。今後は就労支援だけでなく、生活支援にも展開していけたらと考えています。


商品は、さいたま市内の障害者施設が参加するオンラインショップ「サデコMONOがたり」でもご購入いただけます。

特定非営利活動法人ゆうの樹

住所 : 〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町1-37-2 昌栄ビル3F
Tel / Fax : 048-645-0199
HP / ネットショップ : https://www.npo-yuunoki.com/
E-mail : npo.yuunoki☆gmail.com
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